この記事は、過去に書きました空調設備のさらに踏み込んだ話です。
今の時代空調設備は必須です。
空調設備の無い建物はありません。
最近建てられる小中学校には必ず空調設備が導入されます。
当たり前のように使用していますが、いざ設計しようとなると、
よく分からない設備です。
しかし、恐れることはありません。
エアコンの要領をしっかり理解することがまず第一歩です。
【建築設備設計基準 P.367〜】
空冷ヒートポンプパッケージ方式
空冷ヒートポンプパッケージ方式の身近なものとして、家庭用のルームエアコンがあります。ルームエアコンは、室内機室外機とを結ぶ冷媒配管により構成されます。
冷媒運転の場合、
室内の熱を屋外へ放熱しているためヒートアイランド現象の原因の一つとされていますが、暖房時は適当な温度の採熱源があれば、必要な暖房熱量の1/2〜1/5のエネルギー量で暖房ができるため省エネルギー上有効です。
しかし、外気温度が低いと暖房効率が悪くなるので注意が必要です。
(寒冷地仕様の機械もあるので、寒冷地の案件では検討してみて下さい。)
空冷ヒートポンプパッケージ方式の特徴
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室外機ごとに冷房暖房が選択できるので個別性に優れる。
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インバーターによる制御に優れている上、室内機器ごとにリモコンスイッチを備えているので操作性に優れる。
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機械室賀不要
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貸事務所ビルや商業施設において、テナント区画ごとのエネルギー使用量の計量が容易
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一般的な機種の場合、外気温度が低い寒冷地では十分暖房能力を発揮できない。(寒冷地では、寒冷地仕様を採用しましょう。)
この方式を採用する決め手
- 比較的温暖な地域(寒冷地でも採用可能)
- 使用時間や用途が異なる小部屋が数多くある場合
計画時の注意点
- 空調冷媒配管用PSの大きさは1m*2m程度とする。給排水配管用と兼用する場合は2m*2m又は1m*3m
- 空冷ヒートポンプパッケージ方式は、基本的には空調ではなく冷暖房であるため、換気設備を別に計画する必要がある。(組み合わせは、全熱交換器など)
熱交換器とは
全熱交換機とは、その名の通り熱を交換する機能を持った換気扇です。
通常の換気扇では、外気の熱い空気や冷たい空気が直接部屋に供給されます。
そのため、その外気を処理するために余計な空調運転が必要になります。
つまり、空調機のエネルギーを要します。
その外気を給気する過程で、排気される内部の空調された空気と熱交換することで、給気温度を室内温度に近づける装置を「熱交換器」と言います。
よく「ロスナイ」と呼ばれています。(ロスナイは三菱の製品ですが。)
全熱交換器を設置する場合は、
居室の用途・必要な換気回数・機器の能力によるが100m2以内に1台を設置数の目安とします。
空調負荷計算において、外気の負荷(換気による負荷)が大部分を占めます。
建築基準法で換気回数が定められていますので、居室に置いて「全熱交換器」を設置することは省エネルギーや、建物のエネルギーコストを抑えるために非常に有効です。
省エネ先進国「ドイツ」
建物のエネルギーの分野でトップを走るのは「ドイツ」であると考えています。
「ドイツ」は、国策として環境対策に取り組んでいるほか、
パッシブハウスの研究も盛んです。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 建築士 まるたかのブログ .com
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「開業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
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