建物に必要な設備が給排水設備です。
衛生的な生活をするのに欠かせない設備です。
特に排水設備には注意が必要で、
「計画したが排水管の勾配が取れない!」
「梁へスリーブを抜きたいが抜けない!勾配が足りなくなった!」
「計画地に下水道がなかった!どこに流そう?」
など、建物の機能に支障をきたす重要な問題を引き起こす設備でもあります。
それを解決するためには、最初の計画時から排水計画についても理解しておく必要があります。
今回は給排水衛生設備の「排水計画」のポイントを紹介します。
排水計画時におさえるポイント【設備設計基準 第4章 P.586】
【ポイント1】公共下水道の位置と高さを確認する
建物の排水管は、ほとんどが公共下水道へ接続されます。
(下水道が整備されていない場合は、浄化槽や蒸発散槽が必要になります。)
大抵のケースでは、前面道路が1つの場合が多いので問題ないのですが、
2面道路である場合注意が必要です。
片方にしか入っていないことや、役所の指導によって接続先を指定されるケースもあります。
また、公共下水道の高さは、だいたい地面から1.5m以上の深さに埋設されているケースが多いです。
しかし、建物からの流出高さによっては、排水勾配が不足してしまうこともあります。
計画時には、必ず管轄の機関へ、下水道台帳の確認や下水道に関する指導事項を確認しましょう。
(管轄の機関とは、市役所の下水道課等をさします。機関によって名称が異なる場合があるので注意しましょう。)
【ポイント2】公設桝の位置と高さを確認する
公設桝とは!?
公共下水道から敷地に対して1つ目の桝になります。
分譲地や、建替えや改修工事では、すでに敷地内に存在しますので
位置を確認しましょう。
注意するのは、管底の高さです。
公設桝の蓋を開けて管底の高さを測ることが必要です。
計画建物の排水管の高さが、それよりも低くなる場合、
「公設桝の改修工事」や、「ドレンアップ槽」を設けるなどの対策が必要になります。
ただ、ドレンアップ槽は故障する可能性があったり、定期的な清掃が必須になるので、公設桝を改修して自然に流れる管路をつくった方が、後のランニングコストは安くなります。
【ポイント3】建物からの流出配管の高さを確認する。
配管高さを確認する為に、構造体を確認しましょう。
RC造の地中梁を貫通させる場合、貫通できる位置が決まっているので注意が必要です。
横方向:梁の両端部から、Lo/4を除いたLo//2の範囲
縦方向:梁せいの1/3かつ250mm以上を除いた中央部
・既製品の梁貫通補強筋を用いる場合はこの限りではありません。既製品の規格を必ず確認しましょう。
・構造設計によって違うケースがあるので、必ず構造設計に確認しましょう。
排水管の高さは、これらの条件によって決まりますので、構造体を確認して排水流出高さを決めます。
これは、構造により異なります。
建物の構造要チェックです。
まとめ
【ポイント1】公共下水道の位置と高さを確認する
【ポイント2】公設桝の位置と高さを確認する
【ポイント3】建物からの流出配管の高さを確認する。
建物計画時に、公共下水道など現場の状況と計画建物からの流出高さを
必ず確認しましょう。
後から不具合が見つかると、
公設桝を入れ直す工事や、ポンプアップ槽を入れる等の対策が必要になります。
後になればなるほど対応が困難になるので、
計画時の確認が重要です。
【今日のプチ情報】 機器の排水口径
大便器:75A
小便器(壁掛型):40A
小便器(ストール型):50A
洗面器:32A
浴 槽:40A〜75A
掃除用流し:65A,75A
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ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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