【計画時のポイント】給水方式の選定方法とは!?
給排水衛生設備は、衛生的な生活をする上で必要不可欠な設備です。
特に水道は、人の生命に関わります。
水道といえど、建物の規模によって様々な方式があります。
今回は「給水設備の給水方式」と「給水方式の選定方法」を紹介します。
(建築設備設計基準 P.541)
【給水方式1】水道直結直圧方式
水道直結直圧方式は、
水道本管から分岐し給水管を引き込み、
水道本管の水圧により建物内の必要箇所に給水する方式です。
主に戸建住宅の2階建程度の建物に限定され使用されています。
しかし、高圧配水システムを採用している水道事業体では4〜5階程度の建物まで採用することができる場合があるようです。
計画時には、計画地の水道本管の圧力がどの程度か水道事業体に確認しましょう。
稀に圧力が低いエリアがあります。
【給水方式2】水道直結増圧方式
水道引き込み管に増圧ポンプを接続して、中層建築物(10階程度)に給水できる方式です。
受水槽が無いので水槽のメンテナンスが不要なこと、直結することで水道本管の圧力を利用できることで省エネルギーになるメリットがあります。
この方式を採用する場合、水道事業者ごとに適用範囲を定めているケースが多いので、事前の打ち合わせが必要です。
【給水方式3】高置水槽方式
水道本管から分岐して給水管を引き込み、
受水槽へ貯水してから揚水ポンプによって高置水槽へ揚水し、
重力によって建物内の必要箇所へ給水する方式です。
この場合、高置水槽の高さの設定が重要です。
最上階の給水圧力を確保できるように、高さを設定する必要があります。
断水時に、水槽内の水を取り出すことができるので、災害時の対策として採用されるケースも多いです。
設備のスペースが必要な方式なので、設備スペースの確保に注意が必要です。
【給水方式4】ポンプ直送方式
受水槽に貯水した水を直送ポンプによって建物内の必要箇所に給水する方式です。
ポンプ直送方式は、「複数の直送ポンプ」「検知装置」「制御盤」などを
組み込んだユニット製品が使用されるケースが多いです。
圧力検出装置により起動して、必要水量に対応してポンプの回転数を
インバータ制御により可変させて送水することが可能です。
インバーター制御を採用すると、回転数を必要水量に合わせて変化させる運転の為
省エネルギー効果が良い方式です。
まとめ
計画している建物の規模に合わせて給水方式を設定しましょう。
方式によって必要な設備スペースが異なるので、計画が進んだ段階になってしまうと非常に苦しくなります。
計画の当初から検討が重要です。
今日のプチ情報(建物種類別単位給水量・使用時間)
戸建住宅 :300〜400 L / 人 ・10 h/日
集合住宅 :200〜350 L / 人 ・15 h/日
独 身 寮 :400〜600 L / 人 ・10 h/日
公官庁・事務所 :60〜100 L / 人 ・9 h/日
工 場 :60〜100 L / 人 ・操業時間+1 h
総合病院 :1500〜3500 L / 床 ・16 h/日
30〜60 L / m2
ホテル全体 :500〜600 L / 床 ・12 h/日
ホテル客室部 :350〜450 L / 床 ・12 h/日
保 養 所 :500〜800 L / 人 ・10 h/日
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
計画時のポイントシリーズ