建物を計画する際の注意点に関する記事です。
建物の配置を検討する際には、建築基準法や関係法令のほか、
実際に施工ができるかを検討しておくことが重要です。
- 【ポイント1】敷地内で外部足場が建てられるか
- 【ポイント2】敷地内で排水管・排水桝などの設備が納まるか
- 【ポイント3】直近の送配電線の最小利確距離を確保できるか
- 【ポイント4】重機や材料が計画地に搬入できるか
- 【ポイント5】前面道路・隣地との高低差
【ポイント1】敷地内で外部足場が建てられるか
足場の必要敷地幅と施工幅を確保できている必要があります。
郊外で周囲が駐車場である建物であれば特に問題ありませんが、市街地で敷地が限られている場合は注意が必要です。
【ポイント2】敷地内で排水管・排水桝などの設備が納まるか
建物のまわりには、雨水枡や雨水配管・雑排水・汚水配管・給水配管・ガス配管・電気配管などの設備が埋設されます。
配管の離隔距離や上下関係等が定められているので、配管の実寸法よりもスペースが必要となるケースがあります。
また、それら配管が建物の下に埋設されないように注意が必要です。
【ポイント3】直近の送配電線の最小利確距離を確保できるか
送配電のように電圧が高くなると、直接電線に触れなくても近接しただけで
電気は空気中を放電してアークが発生します。
送配電線と人体、送配電線とワイヤーロープ、吊り荷の離隔距離を保つように労働安全衛生規則で規定されています。
配電線の最小利確距離
送電電圧(V) 最小利確(労働基準局通達) (電力会社の目標値)
100 , 200以下 1.0m 2.0m
6600以下 1.2m 2.0m
住宅の現場は特に注意が必要です。
団地内では敷地内に電柱がある場合が多いです。
「建て方でレッカー作業をするとき」「2階建で足場を建てるとき」
接触する危険性が高くなります。
近接作業がある場合は、絶縁防護カバーが着けて対応します。
心当たりのある方は、管轄の電力会社や通信会社で連絡して下さい。
対応してくれます。
もしも事故が起きてしまった場合、
命を落とす恐れがある他、停電被害による賠償金を請求される可能性があります。
【ポイント4】重機や材料が計画地に搬入できるか
特に杭基礎を採用する場合や、タワークレーンを使用する場合に注意が必要です。
その計画ちょっとまった! 敷地内道路の幅大丈夫!? 計画時のポイント - 建築士のメモ帳.com
計画地まで細い道路しかない場合、材料の搬入車両や重機が入っていけないケースがあります。
その場合、搬入できる杭長さにして、接続杭を検討することや、搬入用の仮説搬入口を検討しておくことが必要になります。
工事費用が変わってしまうことなので、重要なポイントです。
↓ 杭基礎に関する記事はコチラ
【ポイント5】前面道路・隣地との高低差
前面道路と建物の位置の高低差に注意です。
道路の両脇には側溝が配置されています。
最近集中豪雨が増えています。
通常の雨水で排水しきれない場合、雨水が建物側へ流れてしまいます。
計画前に、高低差の確認は必須です。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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