今回は、敷地の計画のポイントについて書きます。
ズバリ、構内道路の道幅です。
実際にあった失敗例から注意点を説明していきます。
【実際にあった失敗例】後輩:おっくんの例
おっくん「現場から設計図通りに施工ができなと言われました。」
私 「?? 何が原因!?」
おっくん「よく分かりません。道路幅は4m取っているので、問題無いと思います。」
私 「?? ちょっと図面見せてみて!!」
計画は、郊外に立つ飲食店です。
搬入車両用の構内道路が問題となっているようです。
道幅は4m確保されていますし、転回用のスペースも計画されているようです。
私 「車両の大きさは?」
おっくん「4tです。車両幅が2.5m位なので、車幅から見ると道幅は十分だと思うのですが・・・。」
搬入車両の幅だけを見ると、通路幅は問題なさそうですが、
後輩のおっくんは大切なポイントを忘れていたのです。
それは、車輌の内輪差です。
車両の内輪差とは??
内輪差とは、
クルマが曲がる時にカーブの前輪が描く軌道と、後輪が描く軌道の差のことです。
クルマが細い道で左折をする場合に、左側の前輪が無事なのに後輪が縁石に乗り上げたりするのは、この内輪差が原因です。
このように、車輌には内輪差がある為、カーブを曲がる為には
車幅よりも道路幅が必要になります。
おっくんの失敗の原因
おっくんの計画 では、車両の内輪差が検討されていなかったのです。
計画の道路幅ではカーブを曲がれなかったのです。
実際に搬入される車両で検討し直したところ、余裕をみて最低5m程度は必要でした。
搬入用道路 同じ失敗をしない為に
車両の内輪差を検討する方法
それは、車両の軌跡をプロットすることです。
これは、車両がカーブするときの内輪差を示す旋回軌跡図です。
各メーカーで型式ごとにダウンロードできます。
車両の旋回軌跡を計画図にプロットすれば、
計画の道路幅に問題がないかが一目瞭然です。
軌跡 CADデータの無料ダウンロードサイト
旋回軌跡を一から起こすのは大変!!めんどくさい!!
と思われるあなたには、CAD図のダウンロードをお勧めします。
軌跡のCADデータが無料でダウンロードできるサイトもあります。
直接データを提供している車両メーカーがありますので、是非問い合わせをしてみて下さい。
Point
・車両の旋回軌跡を計画図にプロットして確認する。
・必ず実際に使用する車両を確認する。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
計画時のポイントシリーズ