今回は意外な雨漏れの原因について書きます。
これから梅雨のシーズンともなりますので、
漏水には十分注意しましょう。
意外な雨漏れのルートとは、ベンドキャップです。
・ベンドキャップ??
・雨仕舞いがされている製品じゃないの??
・雨漏れは屋根からでしょ!!
このように思う方は多いと思います。
通常の環境では雨漏れしませんが、
ある条件が揃うと、簡単に雨漏れの原因となってしまうのです。
ベントキャップとは?
ベンドキャップとは、
ダクトの外壁貫通部に設置され給気口や排気口となる器具です。
三菱(MITSUBISHI)などの大手企業をはじめ、多くのメーカーから発売されていて、
形も様々な種類があります。
一般的にも多く使用されています。
雨返しやカバーが付いているので、
通常の条件であれば、ベンドキャップから雨漏れすることはありません。
しかし、次の条件が揃った時に間違いなく雨漏れします。
条件1 風が強い日(吹き上げるよう風が吹く)
風が強い日など、吹き上げるような風が吹いた場合、
ベンドキャップ内へ風が流入します。
そして、吹き上げる風と一緒に雨も入ります。
風が強い場合は、いくらベンドキャップの雨返しが強くても、
内部へ吹き込んでしまいます。
しかし、これだけでは雨漏れに直結しません。
条件2 ダクトの勾配が悪い
上の図は、外壁に向かってダクトを下げる勾配にしています。
下の図は、外壁に室内に向かってダクトを下げる勾配となっています。
上の図が、推奨される施工です。
外壁に向かってダクトが下がっている場合、
仮に雨が入ってしまっても、勾配で外へと排出されます。
しかし、
室内側へ向かって下がっている場合、室内側へ雨水が流れていきます。
条件3 ダクトの接続ビスの位置
ダクトは、主に3箇所のビスで接続され継ぎ目にダクトテープを巻きつけることで、
接続します。
左側のように、下面にビスを打った場合、
雨水がビス穴から漏れます。
右図のように、下面にビスを打たないのが基本です。
左側のようにビスを打ってしまった場合、
コーキングにてビス穴を処理することはできますが、完全に止水することは困難です。
まとめ
ダクトから漏水する条件は
1・風の吹き上げ
2・ダクトの勾配
3・接続ビスの位置
です。
「1」は自然の影響の為、どうしようもありません。
しかし、
「2」「3」については、
施工に注意することで漏水の可能性を低くすることができます。
漏水は、
内装材を損傷させたり、機械の故障を引き起こすなど
金銭的にも精神的にも大きな被害が発生します。
現在、現場監理中の方は、今一度現場を見直して見て下さい!
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 建築士 まるたかのブログ .com
★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設
退職〜開業までの記録を綴った「開業の記録シリーズ」 を公開中。
「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。
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