風通しの良い家の秘密
最近は特に風通しを要望される方が多いと感じます。
住宅金融支援機構が行った、一般消費者向けのアンケートによると、
1位 耐久性
2位 耐震性
3位 省エネルギー性
4位 遮音性
5位 通風・換気性
6位 劣化対策
7位 防犯性
8位 耐火性
9位 バリアフリー性
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第5位という上位にランキングされていて、
「風通りの良さ」は、計画する際に重視されている項目であることがわかります。
風通しの良い家を実現するためには、
気流の仕組みを良く理解し、
気流が良くなる仕組みを設計に組み込むことが必要です。
今回は、気流の秘密について紹介します。
気流とは
気流とは、空気(風)の流れを指します。
気流の秘密1 空気は温度の低いところから高いところへ
空気は、温度の低いところから高いところへ移動する性質を持っています。
建物上部に暖かい空気が溜まる場所があると、上昇気流が発生しやすくなり
下部から空気が登っていきます。
これは、知っている方も非常に多いと思います。
以外に知られていませんが、
建物の北側と南側の温度差でも風の流れは起きます。
温度の低い北側から、
温度の高い南側への空気の流れが起きます。
冬に足元が寒くなる理由
冬にエアコンを使用している時に足元が寒くなるのも、この温度差による空気の動きが原因です。
部屋の中では、自然対流が起きています。
暖かい空気は天井付近に溜まり、冷たい空気が床付近に溜まります。
悪い間取りの例1(風が抜けない家)
このプランの悪い例は、風の抜ける窓が無いことです。
南側には大きな窓がありますが、
北側がFIX窓の為、風が抜けていきません。
結構多い例です。
悪い間取りの例2(2階がルートから外れている)
1階のルートは確保されていますが、
2階がルートから外れていて、1階で完結してしまっています。
2階への上昇気流を上手に組み込まないのでもったい無いです。
気流の良い例
1階から風を取り入れて、
吹き抜けの上昇気流で2階へあがり、
熱気とともに上部の窓から抜けていきます。
「風通りを可視化する方法」
「風通りの良い」計画とするために
私は、「通風シミュレーション」を使っています。
これまでは、建築士さんや職人さんの「経験」や「感覚」によって計画がされていました。
気流について知識があっても、実際できるのか?
その経験や感覚が無いと、どのように窓を配置したら良いか明確に判断がつかない為
若い技術者にとっては、悩みのタネでした。
残念ながら、私には経験や感覚で風通しが良いか判断するスキルはまだ身についていませんでした。
どうすれば、良い計画ができるのか??
どうすれば、お施主様に具体的な提案をできるか??
試行錯誤していた中で
出会ったのが
「風の流れをシミュレーション可視化ソフト」です。
今回は、そのシミュレーションソフトをご紹介します。
シミュレーションソフトは、
建築3Dソフトの「Madric(マドリック)」に内臓されている機能を使っています。
その紹介はこちらの記事に書いています。
是非ご覧下さい。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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