住宅の暖房負荷を軽減させるためには、
太陽熱を取り入れることが非常に有効ですが、
冷房が必要な夏季は逆に働きます。
夏季は、太陽熱をカットすることが重要です。
パッシブデザインの基本では、庇によって太陽光をカットすることが有効です。
(その他、外側ブラインドを付けるなどの方法があります。)
太陽の動きを知る
季節で変わる太陽高度
地球は、地軸が一定の角度(約23.4度)で傾いて自転しています。
そして、地球が太陽の周りを公転していることから、太陽高度が季節によって変化します。
この図は、季節による太陽高度を表した図です。
夏至が一番高く、約78°
冬至が一番低く、約31°
春分・秋分は55° 程度となります。
建設によって変わる太陽高度
太陽高度は、場所によって変わりますので必ず確認しましょう。
実際に、日本の各地を確認してみましょう。
茨城県つくば市
最高高度:夏至77°
最低冬至:冬至30°
北海道札幌市
最高高度:夏至70°
最低冬至:冬至23°
沖縄県那覇市
最高高度:夏至87°
最低冬至:冬至40°
場所 最高高度 最低高度
北海道札幌市 70° 23°
茨城県つくば市 77° 30°
沖縄県那覇市 87° 40°
同じ日本でも、こんなにも差があるのです。
場所によって、角度が異なります。必ず計画地の数値を確認しましょう。
【プチ情報】簡単に計画地の太陽高度を確認する方法
計画地の太陽高度を簡単に知るために方法を紹介します。
これは、「株式会社つくばマルチメディア」が提供しているサービスです。
検索したい住所を入力すると、
その地点の「最高高度」「最低高度」そして、
月日を入力することで、知りたい月日の「日の出・日の入時間」を検索できます。
↓↓株式会社つくばマルチメディアのホームページはこちらです。↓↓
WEBシステム開発・システム構築|茨城県つくば市のつくばマルチメディア
是非チェックしてみて下さい。
時間による角度の変化
太陽は時間によって位置を変えます。
こちらの数値も確認します。
下の図は、東から登ってから西に沈むまでの時間別に
どのような角度に影を落とすかを示した図です。
季節によっても、位置が変わるのがわかります。
日影図は、JW-CADで簡単につくることができます。
記事準備中【JW-CADを使って、太陽を検討する為に使う方法】
【プチ情報】北面からの日射
あまり知られていませんが、
北面にも陽があたります。
それは、夏至の頃の「日の出」「日の入」の時間帯です。
特に西日は強力なので、
北面にも「日射遮蔽ガラス」を取り付けることをおススメします。
計画地の太陽に合わせて庇を設定する
計画地の「夏至」「冬至」の太陽高度を確認して、
庇の出を確認します。
この図は、バルコニーを付けた設定です。
庇の出の目安は、サッシ高さの約0.3です。
注意するポイント
窓に対する庇の幅が狭いと、午前中と夕方の時間帯に日差しをカットできないので、
横方法もチェックが必要です。
さいごに
冷房負荷を向上させるために、日射を遮ることが重要です。
しかし、冬季には暖房負荷を軽減する為に日照を取り入れる必要があります。
上手な庇の設定が、上手な住環境をつくる重要なポイントです。
庇によって、冷房負荷が大きく変わります。
エアコンの「イニシャルコスト」「ランニングコスト」に影響があるので
是非検討してみて下さい。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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