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形状による性能の違い! 熱環境の面で考える理想的な家のかたちとは??

形状による性能の違い! 

住環境の面で考える理想的な家のかたちとは??

 

最近の猛暑により、住環境への関心がますます高まっています。

 

住環境の面から考える理想的な家の形とは、表面積が少ない形です。

 

Q値は、お金をかければ上げることは簡単です。

しかし、闇雲に上げるだけでは工事費だけがかさんでしまいます。

 

今回は、熱環境の面から「最適な家の形」を考えます。

f:id:c6amndbgr3:20180809172728j:plain

 

「かたち」による表面積の差

8個のキューブを組み合わせて建物の形を作ります。

キューブ:1m×1m×1m

f:id:c6amndbgr3:20180721082644j:plain

「A」〜「E」の5パターン作って見ました。

どれも、良く見られる住宅の形です。

 

「パターンA」「パターンB」:総二階の住宅

「パターンC」:一部二階の住宅

「パターンD」:平屋の住宅

「パターンE」:平屋で中庭がある住宅

と考えて下さい。

 

「パターンA」と「パターンE」では、

約1.4倍の差があることがわかります。

 

 

「かたち」で差が出るQ値

続いて前項で考えたパターンに「Q値」を当てて見ます。

f:id:c6amndbgr3:20180721083246j:plain

 

こちらも

「パターンA」と「パターンE」では、

約1.4倍の差があることがわかります。

 

すなわち、

「パターンE」を「パターンA」にするためには、

1.4倍の性能が必要となるということです。

 

1.4をカバーするには、

「工事費(断熱性能や設備)」「光熱費」など

何かが犠牲になります。

全て建て主のデメリットとなる項目です。

 

熱環境の面から見ると、凸凹な家は不利と言えます。

 

建設コストの観点から見ても、

最近流行っている「平屋」よりも「総二階建て」の方が割安になるという

結果が出ています。

 

 

熱取得の観点から見る理想な形とは?

冬場の暖房負荷を考える上で、太陽熱を建物に取り込むことは非常に重要です。

この熱取得の効率も建物の「かたち」によって差が出てきます。

 

バランスの良い形

下のような同じ面積の部屋があるとします。f:id:c6amndbgr3:20180721101351p:plain

「A」:正方形で、南面に2枚窓が付いています

「B」:長方形で、南面に4枚窓が付いています。

「C」:「A」と「B」の中間で窓が3枚付いています。

一番バランスが良いのは、「C」です。 

「A」は表面積が一番小さいですが、南北の奥行きがある為温度差が出ます。

「B」は窓の枚数が一番多いのですが、構造の面やプラン二ングの面で難ありです。

 

「プランニング」や「構造」の面を考えると、

「C」が一番効率の良い「かたち」と言えます。

 

 

 

★☆☆☆彡

最後まで閲覧頂きまして、

ありがとうございました。m(_ _)m 

 

この記事を書いた人

 

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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』

★「職人」から「建築士」へ 

   施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。

2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。

退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。

実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。

 

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