形状による性能の違い!
住環境の面で考える理想的な家のかたちとは??
最近の猛暑により、住環境への関心がますます高まっています。
住環境の面から考える理想的な家の形とは、表面積が少ない形です。
Q値は、お金をかければ上げることは簡単です。
しかし、闇雲に上げるだけでは工事費だけがかさんでしまいます。
今回は、熱環境の面から「最適な家の形」を考えます。
「かたち」による表面積の差
8個のキューブを組み合わせて建物の形を作ります。
キューブ:1m×1m×1m
「A」〜「E」の5パターン作って見ました。
どれも、良く見られる住宅の形です。
「パターンA」「パターンB」:総二階の住宅
「パターンC」:一部二階の住宅
「パターンD」:平屋の住宅
「パターンE」:平屋で中庭がある住宅
と考えて下さい。
「パターンA」と「パターンE」では、
約1.4倍の差があることがわかります。
「かたち」で差が出るQ値
続いて前項で考えたパターンに「Q値」を当てて見ます。
こちらも
「パターンA」と「パターンE」では、
約1.4倍の差があることがわかります。
すなわち、
「パターンE」を「パターンA」にするためには、
1.4倍の性能が必要となるということです。
1.4をカバーするには、
「工事費(断熱性能や設備)」「光熱費」など
何かが犠牲になります。
全て建て主のデメリットとなる項目です。
熱環境の面から見ると、凸凹な家は不利と言えます。
建設コストの観点から見ても、
最近流行っている「平屋」よりも「総二階建て」の方が割安になるという
結果が出ています。
熱取得の観点から見る理想な形とは?
冬場の暖房負荷を考える上で、太陽熱を建物に取り込むことは非常に重要です。
この熱取得の効率も建物の「かたち」によって差が出てきます。
バランスの良い形
下のような同じ面積の部屋があるとします。
「A」:正方形で、南面に2枚窓が付いています
「B」:長方形で、南面に4枚窓が付いています。
「C」:「A」と「B」の中間で窓が3枚付いています。
一番バランスが良いのは、「C」です。
「A」は表面積が一番小さいですが、南北の奥行きがある為温度差が出ます。
「B」は窓の枚数が一番多いのですが、構造の面やプラン二ングの面で難ありです。
「プランニング」や「構造」の面を考えると、
「C」が一番効率の良い「かたち」と言えます。
★☆☆☆彡
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ありがとうございました。m(_ _)m
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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