木造住宅において「透湿防水シート」は、
耐久性を確保する上で「要」といっても過言ではありません。
日経ホームビルダー8月号に、「透湿防水シートの危険な設計」として紹介されていました。
最悪、構造材が朽ち果てる原因となってしまうようです。
その危険な設計とは、「120mm角の隅柱に105mm角の管柱」とする設計です。
一見納りが良い工法に見えますが、大変な危険が潜んでいるようです。
このような設計をする方は、少なくないと思います。
ご覧いただいた方の設計を見直すきっかけになれば嬉しいです。
また、今住宅を計画されている建主の方は、
今の設計が問題無いか確認して見て下さい。
危険な設計例 120mm角の隅柱に105mm角の管柱
危険な設計例は、「120mm角の隅柱」に「105mm角の管柱」とした設計です。
一見納りが良いように見えますが、大変な危険が潜んでいます。
この設計で問題になるのは、隅柱の部分です。
隅柱が問題となる理由
隅柱の部分は、他の部分と異なり直接外壁材が固定されています。
1・通気層内の水分が水蒸気となり、隅柱の部分へ侵入します。
2・隅柱の部分は、他の部分とは異なり乾きにくいです。
3・滞留した水分が、外壁固定用のビス又は釘の穴を通じて、
柱へと水分が侵入していきます。
4・その侵入した水分が原因で、柱を腐らせる原因となります。
下の写真は、実際に隅柱が腐っていた住宅の写真です。
隅柱が腐り、大きく欠損していることがわかります。
どんなに注意深く施工したとしても、
外壁のクラック・シーリングの切れ目から水分が入る可能性は十分考えられます。
第二の防水層として、透湿防水シートを適切に計画することは非常に大切です。
漏水だけでなく構造上の危険も!
ちょうど隅部は、耐力壁としての機能を持たせることが多いです。
筋交いを使う場合は、筋交い材自体を腐らせる他、
固定金物を錆びさせる原因ともなります。
耐久性や耐震性を損なう危険性があるので、十分注意が必要です。
また、今住宅を計画されている建主の方は、
今の設計が問題無いか確認して見て下さい。
【8月2日追記】
↓↓気密シートを確実に施工する外壁工法はこちら↓↓
★☆☆☆彡
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ありがとうございました。m(_ _)m
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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