SGP「白ガス管」「黒ガス管」どう使い分けてるの?
設備の分かりづらい理由の一つに、
配管の種類が分かりづらいということがあります。
特に鋼管の種類はたくさんあります。
配管は、使用用途によって使い分けられています。
配管の種類と使用用途さえ分かっていれば迷うこともないですね。
知っていないと施工図や承認図をチェックする時に、非常に時間を要します。
今回は、主に建築現場で使われる鋼管の種類と使用用途を紹介します。
配管炭素鋼鋼管(SGP ※Steel Gass Pipeの略)
現場で最も使われる配管の一つです。
SGPは大きく分けて「白ガス管」と「黒ガス管」の2種類あります。
SGPー白(白管)
黒管に耐食性を高めるために亜鉛メッキ塗布された配管です。
用途
上水道以外の水配管(消火設備、工業用水)に使用する
SGPー黒(黒管)
防錆塗装のみ塗布された配管
用途
蒸気配管、油配管、ガス配管、エアー配管などに使用
配管炭素鋼ライニング鋼管
SGPの配管内にコーティングを施した配管です。
上水道の給水配管に使用されます。
コーティングが塩化ビニルのもの
SGP-VA
黒ガス管の内部にコーティングされた配管です。
屋内配管に使用されます。
SGP-VB
白ガス管の内部にコーティングされた配管です。
屋内配管及び屋外の露出部に使用されます。
SGP-VD
配管の内外部共にコーティングされた配管です。
高い防食性から、地中埋設部や屋外露出部に使用されます。
コーティングがポリエチレンの配管
塩化ビニルライニングよりも塗膜が強い配管です。
注意するポイント
給水に使用される配管は、水道法施行令に定められた基準を満たしている必要があります。適合品であるか確認が必要です。
① 適合が明確な製品
JIS規格(日本工業規格)、日本水道協会規格(JWWA規格)等
② 第三者承認品
第三者認証機関が認定した製品
③ 自社で適合を証明する製品
配管や継手などの部材は、様々なメーカーから発売されています。
一般的に使われる部材であれば問題ないのですが、
海外製や特殊な部材の場合適合品以外であるケースがあります。
ステンレス鋼管
ステンレス製の配管です。
耐食性が強いのが特徴です。
イニシャルコストは高いですが、後々のの赤水、錆びの問題が無いので
ステンレス配管を要望されるお施主様もいます。
注意するポイント
一般的に見られる錆びはないのですが、
「異種金属腐食」と言われる、異なる金属が電気的に接触することによっておこる腐食です。
これを避けるために、接続部にコーティング等の絶縁処理がされているか確認が必要です。
フランジ継手の場合、樹脂製のボルトを使用されます。
ポリエチレン管(PE管)
個人的に一番好きな配管は、ポリエチレン管(PE管)です。
青色の水道用と、黄色のガス用等があります。
PE管の特徴といえば、
1)耐食性
2)溶着による接続
3)可とう性能
が挙げられます。
ポリエチレン製の為、錆類が発生しないことは想像し易いと思いますが、
接続が溶着による点がポイントです。
「ねじ切り」や「ノリ」での接続とは異なり、
管・継ぎ手同士が溶着により一体化される為、老衰のリスクが下がります。
また、管の特性による可とう性もポイントです。
これらの性能から、
最近問題となっている公共水道管の更新に採用されるケースも増えています。
私自身も、改修案件でPE管を採用しています。
継ぎ手も充実していますし、鉄管よりも信頼性があると思います。
注意点としては、
1)配管より工事費が高いこと
2)配管支持ピッチが、鉄管より細かくなること
が挙げられます。
特に、配管支持ピッチには注意が必要です。
改修前が鉄管であった場合、支持を増やす必要があります。
積算に漏れやすいので注意です!
さいごに
鋼管の種類と使用用途について紹介させて頂きました。
一般的には、どの現場でも使い分けは同じです。
まだこれ以上に種類がありますので、
随時記事を追加していきます。
本ブログでは、設備設計やってみようシリーズを立ち上げました。
随時記事を増やしていきますので、お時間があれば合わせてご覧下さい。
↓↓ 建築専門書をお得に手に入れる方法はこちら ↓↓
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
計画時のポイントシリーズ