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【給水設備】凍結防止対策その1「配管・水栓器具編」

【給水設備】凍結防止対策その1

この時期の給水設備の計画時に注意しなければならないこと、

それは「水道の凍結」です。 

 

水道の凍結は、寒冷地、雪国に関わらず、実は関東地方や温暖な地方でも十分起こりうります

 

夏場に計画しているとすっかり忘れてしまいがちですが、

建て主の財産を守る上で重要な項目です。  

 

今回は、計画時にできる水道凍結対策について紹介させて頂きます。

 

計画中の物件があれば是非見直してみて下さい。

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水道が凍結する原因

水道が凍結する原因は「温度」です。

外気温がマイナスを下回る場合簡単に凍ります。

 

水道が凍結するとどうなる?

1)水が出なくなる。

2)配管が破裂。

水が出なくなるだけなら良いのですが、

破裂したら大変です。

 

天井裏で破裂したら、水浸しになっちゃいますからね!

(実際現場で経験したことがあります。天井裏の配管を保温しなかったのが原因らしい。)

天井裏でも、凍結する可能性があるので注意です。

 

何より、「使いたい時に使えない!」というストレスを与えてしまうことが

最大のデメリットだと思います。

 

凍結防止対策

|水抜き弁の設置!(使わない時は必ず水抜き)

使わない時は、水抜きが効果的です。

 

水抜きをしやすい構造としておく必要があります。

 

水抜きで便利なのが『水抜き弁(水抜き栓)』です。

 

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写真:竹村製作所

 

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排水層を設ける以外は、止水弁と同じ要領で設置します。

配管内の水を地中へ放出できる弁です。

 

「外部トイレ等」「屋外にさらされる場所」「寒冷地」の計画に設置しておくことをお勧めします。

 

|凍結防止ヒーター巻き

凍結ヒーター巻きも対応策としては、王道ですね。

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出典:http://daitokutech.biz/siliconheater.html

「定尺型」から「フリー尺型」まで色々なタイプがあります。

カクダイ 水道凍結防止帯 給湯・給水管兼用 1m 9698-1

カクダイ 水道凍結防止帯 給湯・給水管兼用 1m 9698-1

 

 後々の更新を考えると「定尺型」で「サーモ付き」がお勧めです。

 

サーモ付きは、温度によってヒーターのON-OFFが可能なタイプです。

商品に温度設定は異なりますが、

2℃:「ヒーターON」 7℃:「ヒーターOFF」

といったように、不要なヒーター運転をカットすることができるので、電気代を節約することができます。

 

材料ごとに適切な施工方法がありますので、必ず「施工要領書」を確認しましょう。

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出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/suidou/html/touketsu-sekou.htm

保温材を施すことも忘れずに!

 

|凍結防止水栓を設置(チョロチョロ出し)

水が流れていると水が凍らない特性を活かした方法です。

一番単純で簡単な方法です。

 

それを、外部温度によって自動で制御できる水栓があります。

それが「凍結防止水栓」です。

カクダイ(KAKUDAI) 凍結防止水栓上部 907-003

カクダイ(KAKUDAI) 凍結防止水栓上部 907-003

 

 

構造の秘密は、内部に設置された温度感知部です。 

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出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/suidou/html/touketsu-sekou.htm

チョロチョロ出しを、サーモの動作によって制御します。

凍結しそうな時だけチョロチョロ出しするので「水の節約」に繋がります。

 

最大のメリットは、水栓上部を取替えることで既存の水栓にも設置できる点です。

1)ヒーターのような電気代不要。

2)工事が完了した後でも施工可能。

 

さいごに

今回は「凍結防止対策その1」として、

「配管・水栓器具」へ施せる対策を紹介させて頂きました。

 

水道の凍結事故が起きる前に、水道の計画を今一度見直してみましょう。

 

 

★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡

最後まで閲覧頂きまして、

ありがとうございました。m(_ _)m 

 

この記事を書いた人 「まるたか」

 

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このブログについて 建築士の挑戦 - 建築士 まるたかのブログ .com

★「職人」から「建築士」へ 異色の経歴を持つ建築士

2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設

退職〜開業までの記録を綴った「起業の記録シリーズ」 を公開中。

「まるたかのブログ」にて実務以外の情報を発信中。

 

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