海好きな方にとって、海の見える物件は夢でしょう。
眺望の良さから、住宅だけでなく、老人ホーム等でもあえて海沿いに建てられる案件もあります。
気持ちの良い眺望や、潮風を浴びながらとても贅沢な生活をすることができます。
しかし、海の近い物件の計画では注意しなければならないことがあります。
それは「塩害対策」です。
塩害とは?
塩害とは、海水に含まれる塩分によって建物や設備に悪影響を与えることです。
塩害が顕著に出るのは、コンクリートや建材等の外装材、そして外気に晒される室外機です。
塩分によって、室外機の基盤が壊れたり、室外機の熱交換フィンの劣化が進みやすくなります。
今回は、海近物件で必要な『塩害対策その1』として、設備の塩害対策について紹介させて頂きたいと思います。
設備の塩害対策
【その1】室外機は、耐塩害仕様品を
室外機が必要な設備として、
空調機
ヒートポンプ給湯器
が挙げられます。
これらの設備は、室外機で熱交換をする為、塩素を含んだ外気の影響を受けやすい設備です。
塩害によって、
1)基盤の故障
2)ボルト、外装のサビ
3)フィンの劣化
が生じやすくなります。
これを防ぐために「耐塩害仕様」の室外機を選定します。
耐塩害仕様とは?
耐塩害仕様とは、その名の通り「塩害」に強い仕様とした機械です。
下の写真は、Panasonic製ですが
各メーカーから発売されていますので、使用するメーカーに問い合わせれば必要な機械を選定してくれるはずです。
耐塩害仕様と一般仕様の違い
耐塩害仕様の特徴として、
1)基盤にコーティング処理が施されている
2)ボルト、外装が耐食性のある素材とされている
3)熱交換フィンにコーティングが施されている
点が挙げられます。
耐塩害仕様が必要な場所
耐塩害仕様を必要とする判断は、物件の海からの距離で判断されます。
海からの距離が約300m以内の場合は、「耐重塩害仕様」
海からの距離が約300m〜1km以内の場合は「耐塩害仕様」
となります。
注意点
この距離は、メーカーによって多少変わるので、使用するメーカーの仕様書をチェックが必要です。
さいごに
今回は、海近物件で必要な『塩害対策その1』として、設備の塩害対策を紹介させて頂きました。
海近物件で、一般仕様品を使用すると室外機はすぐに壊れてしまいますので注意が必要です。
次回もよろしくお願い致します。
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
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