この状態になったら要改修です!
私達建築設計者って、
新築時の状態は見たことあるけれど、劣化した後の状態ってあまり目にしないと思うのです。(建物調査とか改修工事を担当する方は別ですが。)
どんなに丁寧な施工をしたとしても、経年劣化は避けられません。
メンテナンス情報を教えるのも建築専門家の役目!
お引渡し後も、建物を良い状態で保つには「適切なメンテナンス」が欠かせません。
建て主は、メンテナンスについて理解していない方が多いと思うので、
それを教えるのも専門家の大切な役割だと思うのです。
今回は、いい具合に劣化した「ベランダ防水」を見つけたの、住宅の防水層について取り上げさせて頂きます。
「劣化するとこうなる!」という説明の参考にして頂けたら嬉しいです。
- この状態になったら要改修です!
- 戸建住宅|ベランダ防水の種類
- 防水層|こうなったら改修時期です!
- 劣化症状1|ふくれ
- 劣化症状2|トップコートの劣化
- 劣化症状3|防水層の剥がれ、裂け目
- 劣化症状4|植物の生息・土の堆積
- 【永久保存版】メンテナンス情報解説本!
戸建住宅|ベランダ防水の種類
ベランダ防水層として使われているものは、次の種類あります。
1|FRP防水
FRP防水とは、FRP(繊維強化プラスチック)を防水層にした工法で、耐衝撃性に強く、耐水性や成形性が良いのが特徴です。
2|ウレタン塗膜防水
安価で耐久性が高く、どのような形状の下地でも使用できるメリットがあり、国内の防水工事で最も多く採用される工法です。
液状のウレタン防水材を使用して現場で仕上げる工法なので、継ぎ目のない防水層を形成することが可能です。
3|シート防水
シート状に加工された合成ゴムやプラステック のシートを敷設する工法です。
耐候性や施工性に優れている工法で、シートが伸縮性に富んでいますので、建物の収縮に追従することができます。
防水層|こうなったら改修時期です!
今回紹介するのは、ウレタン防水の劣化写真です。
約築30年以上経過した木造住宅で、防水改修後15年程度の状況です。
防水層のメンテナンス周期は10年
防水層のメンテナンス周期は約10年とされています。
メンテナンス費用は、工法にもよりますが30~40万円とされています。
劣化症状1|ふくれ
防水層下部の空気が暖められておきる現象です。
空気の膨張によって防水層が隆起しています。
劣化症状2|トップコートの劣化
劣化によって、トップコートが損傷しています。
本来のトップコートは緑色をしていますが、劣化によって黒く変色しているのが分かります。
劣化症状3|防水層の剥がれ、裂け目
シート自体の剥がれ・裂け目がみられます。
(すでに雨漏りしていると思われます。)
写真は、防水層の”ふくれ”も併発しています。
防水層の硬化によって”ふくれ”に追従できなくなり、裂け目が広がったと思われます。
裂け目が見つかった時の応急処置法
裂け目を見つけた時の応急処置として、ガムテープやビニルテープで塞ぐのが有効です。
これで、漏水を最小限に抑えることができますが、
応急処置後は、直ぐに専門業者へ修繕を依頼しましょう。
劣化症状4|植物の生息・土の堆積
舞い上がった落ち葉や土が堆積することが原因でみられる症状です。
上の写真はコケですが、雑草や木が生えている例も見られます。
植物の根が防水層内へ侵入することで、漏水を誘引します。
これを防ぐには、定期的な清掃が有効です。
【永久保存版】メンテナンス情報解説本!
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最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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