断熱性を高める重要なポイント【気流止め】
ますます「住環境」に関するニーズが高まっています。
断熱材の種類を変えたり、外断熱を施しても
意外に漏れてしまうのが「気流止め」です。
今回は、「木造住宅の気流止め」について紹介します。
木造住宅の断熱材の効かない原因
断熱材の効かなくなるメカニズム
壁内の空洞部分は、石膏ボードが一般的に使われて
筋交を使用する工法が一般的になってから生じるようになったといわれています。
「吊り天井」「壁内の空隙部」を通じて、
床下から天井裏まで何も遮るものがない状態になります。
例えば、室内で暖房をするとこの空隙の空気が温められて天井へ上がり、
床下からは冷気が入り込む空気の流れが起きます。
これは、外壁や間柱でも起こり、外気が建物の中にい入ってくる状態です。
また、空気の温度差により、天井裏や壁の中で結露を起こしてしまいます。
ポイント
- 断熱材をしっかり入れても、壁内の気流を止めることはできない。
- 隙間の多い建物は、外気の流入・結露の危険がある。
いくら厚い断熱材を入れても、
気流の流れを止めていなければ効果は薄れてしまうので注意です。
壁内の空気の移動に伴って、
断熱材に含まれる空気の熱も移動してしむことが原因です。
断熱材を活かす為の工法
断熱材を活かすためには、
垂直方向の断熱部位である「外壁の上下を空気が流れないように塞ぐ」必要があります。
また、壁と床、天井などの取り合い部でも「気流止め」を設けて、
空間的に独立させることが必要となります。
「気流止め」の工法
室内の壁側へ気密シートを貼る「シート気密構法」が、
性能の高い工法とされています。
「パッシブハウス・ジャパン」で定期的に開催されている現場見学会では、
どの住宅に行ってもこの工法が採用されていました。
このような工法を採用するのは、一般ではまだまだ少ないと思います。
シート気密工法の問題点
シート気密工法の問題点
- 先張りシートを張るため、建て方の順序が変わってしまう
- 一般的に、技術習得に時間がかかる
- 気密層であるポリエチレンシートは丁寧な施工が必要で手間がかかる
建物の断熱・気密性能を確保する上で重要な工程ですので、
現場でも十分確認することをお勧めします。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
↓「まるたか」について詳しくはこちらをご覧下さい。
このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
若手設計者必携! この本があれば、設備はOK! 自分のための時間を確保する方法 - 建築士のメモ帳.com
計画時のポイントシリーズ