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断熱材とコストの話! カタログ値だけ追いかけていては営業マンの思う壺!?

多くの断熱材が発売されていまして、

「どの断熱材を選択すれば良いか??」

 

とお悩みの設計者さんも少なくないはずです。

 

選択する上で一番需要なことは、「熱貫流率当たりのコスト」です。

 

単純に断熱材の熱伝導率だけを比較しても、

ただただ建設費だけが上がってしまう結果となります。

 

断熱性能だけをアピールしてくる営業の方も少なくありません。

まさに、「カタログ値だけ追いかけていては営業マンの思う壺」なのです。

 

 

今回は「断熱材とコスト」に関する記事です。

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材料の熱伝導率と熱貫流率を確認!

 

材料の熱伝導率は、下のサイトにまとめて掲載しています。

www.arch-memo.com

www.arch-memo.com

 

ますは、材料の熱伝導率を確認します。

 

材料によって熱伝導率は様々です。

 

材料単体だけをみると、

フェノール保温板「ネオマフォーム」が 熱伝導率 0.020 W/mk と

性能が良いことがわかります。

 

 

重要な比較ポイントは「熱貫流率」

熱貫流率(U値)とは、

1m2で厚さ自由の直方体の内外温度差が、

1℃(1K ケルビン)の時に移動するW数を意味します。

 

www.arch-memo.com

 

簡単にいいますと、

「熱伝導率」は、物質そのものの数値であるのに対して

「熱貫流率」は、物質とその物質の厚みで変わる数値です。

 

 

実際に断熱材を比較してみます。

「高性能グラスウール(16K)100mm」と「ネオマフォーム(50mm)」

を比較してみます。

どちらも、断熱材として一般的に使用されています。

 

熱伝導率だけを比較すると、間違いなくネオマフォームの方が性能が良いですが、

熱貫流率を求めますと、

ネオマフォーム  t 50mm

0.020(W/mK) ÷ 0.05m  =  0.40W/m2K

(熱電導率)   (厚み)

高性能グラスウール(16K)t100mm

0.038(W/mK) ÷ 0.10m  =  0.38W/m2K

 どちらも差がないことがわかります。

 

次に、価格をみてみます。(3×6、1.65m2 とします。)

ネオマフォーム  t 50mm

0.020(W/mK) ÷ 0.05m  =  0.40W/m2K 約3,900円 

(熱電導率)   (厚み)

高性能グラスウール(16K)t100mm

0.038(W/mK) ÷ 0.10m  =  0.38W/m2K 約1,000円

 

なんと、4倍の価格差であることがわかります。

 

このように、熱貫流率あたりのコストを比較することが非常に重要です。

 

ケースによっては、有効面積を確保したい時や断熱材の厚みを薄く必要がある時に、

あえて、価格は高いですが性能の良い断熱材を選択することがあります。

 

材料のコストの目安

グラスウールを「1」とした場合の、

一般的に使用される材料の価格差の目安です。(施工費は含みません)

グラスウール  :1

現場発泡ウレタン:1.5

セルロースファイバー:2

ボード系断熱材 :3〜4 

 

グラスウールのコストパフォーマンスが良いことがわかります。

 

施工性や、その他の性能でも比較する必要があるので、

総合的な検討が必要です。

 

 

【まとめ】断煙材を選択するポイント

・熱伝導率だけでなく、「熱貫流率当たりのコスト」など

 総合的に比較することがポイント

・グラスウールのコストパフォーマンスは良い。

 

★☆☆☆彡

最後まで閲覧頂きまして、

ありがとうございました。m(_ _)m 

 

この記事を書いた人

 

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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』

★「職人」から「建築士」へ 

   施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。

2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。

退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。

実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。

 

ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。

 

 

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