建物を計画する上で、役所調査 ・ 現地調査 はかなり重要です。
「 用途地域 」「 建ぺい率 」「 容積率 」などの建築の制限を把握する為にとても重要な工程ですね。
その役所調査に漏れやすいのが「 包蔵地 (ほうぞうち) 」です。
「包蔵地(ほうぞうち)」とは、
簡単に言うと ” 埋蔵文化財が出てくる可能性があるエリア ” です。
「文化財保護法」により埋蔵文化財包蔵地として周知されている土地で、
全国に約46万ヶ所あるとされています。
埋蔵文化財とは,土地に埋蔵されている文化財(主に遺跡といわれている場所)のことです。埋蔵文化財の存在が知られている土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)は全国で約46万カ所あり,毎年9千件程度の発掘調査が行われています。
引用元:文化庁ホームページ
URL:http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/maizo.html
市街地でも包蔵地の可能性有り!!
「 埋蔵文化財 」といえば、
なんとなく 田舎 にあるイメージをお持ちの方が多いと思います。
しかし、
市街地でも包蔵地のエリアがあることがあります。
下の写真は、さいたま市の遺跡地図情報です。(ホームページから閲覧可能です。)
↓↓↓↓
このように市街地や宅地であっても、包蔵地内であることがあります。
市街地だから大丈夫だろう!!
と、安易に判断してしまうのは非常に危険です。
今回は、事前調査に漏れやすい「包蔵地(ほうぞうち)」について紹介します。
包蔵地(ほうぞうち)とは!?
包蔵地とは、埋蔵文化財の存在が知られている土地(周知の埋蔵文化財包蔵地)です。
毎年、9,000件程度の発掘調査が行われています。
以下、文化庁公式ホームページからの引用です。
文化財保護法では,周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事などの開発事業を行う場合には,都道府県・政令指定都市等の教育委員会に事前の届出等(文化財保護法93・94条)を,また新たに遺跡を発見した場合にも届出等を行うよう求めています(同法96・97条)。出土した遺物(出土品)は所有者が明らかな場合を除き,発見者が所管の警察署長へ提出することになっています(同法100条)。
土木工事等の開発事業の届出等があった場合,都道府県・政令指定都市等の教育委員会はその取り扱い方法を決めます。そして協議の結果,やむをえず遺跡を現状のまま保存できない場合には事前に発掘調査を行って遺跡の記録を残し(記録保存),その経費については開発事業者に協力を求めています(事業者負担)。ただし,個人が営利目的ではなく行う住宅建設等,事業者に調査経費の負担を求めることが適当でないと考えられる場合には,国庫補助等,公費により実施される制度があります。
引用元URL:文化庁HP http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/maizo.html
どうやって調べるの?
「包蔵地(ほうぞうち)」の確認は簡単です。
計画地を管轄する諸官庁へ確認できます。
(埋蔵文化財課・教育課など 市町村によって担当は異なります。)
計画地の住所を伝えると、台帳から包蔵地のエリア内・外を判断してくれます。
(場合によっては地図を提出する。)
下は、つくば市の例です。
確認の流れは、市町村ごとに定められているので、必ず管轄の担当課へ確認しましょう。
市町村によっては、包蔵地内外に関わらず「照会願」を提出する必要があります。
調査を忘れるとどうなる?
調査を忘れて、仮に着工してしまったとしましょう。
その場合、各市町村の条例により定められた罰則がある場合があります。
罰則の内容は、
① 罰金
② 遺跡調査の為の工事の中止
等、金銭面や工期の面で建主へ負担が生じます。
この罰金は誰が払うの?
工事がストップした場合の現場管理費はどうする??
などなど、
悩ましい問題がでてくる可能性がありますので、事前の調査は重要です!
さいごに
今回は、役所調査に漏れやすいポイントとして、「包蔵地(ほうぞうち)」について紹介させて頂きました。
建主へ負担をさせてしまったり、設計者の信用を失う可能性があるので、是非注意したいポイントです。
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
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