鉄骨造設計の注意点!
壁構成による面積計算の壁芯の違いについて
今回は、建物の計画にあたり注意しなければならないことを書きたいと思います。
それは、
壁の構成によって面積をおさえる壁の中心線の位置が異なる
ということです。
私もこれで失敗して、計画をやり直したことがあります。
私の失敗談
鉄骨造の中心線を木造と同じように考え、柱の中心線で算定してしまいました。
柱の中心線で面積計算してしまうと実際の面積より小さくなるので、
建ぺい率や容積率など計画の根本からめちゃくちゃになります。
面積から検討し直した為、
大きな時間のロスがあり大変苦労しました。
この記事を読んでくれた方は、
同じ間違いをしないように注意して頂けたら嬉しいです。
1・面積のいろいろ(既に理解されている方は飛ばして下さい)
建築面積
建築面積とは、簡単にいうと上空から建物を見た時の屋根面積とイメージして頂けると良いと思います。
正確には、「建築物の外壁又は、これに代わる柱の中心線で囲まれた部分の水平投影面積」です。
建築基準法第53条の建ぺい率の制限において規制される面積です。
敷地に対する建築面積の割合を、一定値以下にしなければなりません。
ポイント
- 1mを超える庇は、先端から1mを超える範囲が算入
- 突き出し長さが1m以下の軒の出などは、算入されない
- 壁がなくても柱で囲まれた部分は算入する
床面積
建築物の各階、又はその一部で、壁やその他の区画中心線で囲まれた部分の水平投影面積
延べ床面積
建築物の各階の床面積の合計
2・中心線の違いについて
木造(W造)の場合
軸組工法の場合、柱の中心が中心線となります。
鉄筋コンクリート造(RC造)の場合
主要構造の躯体部分の厚みの中心が中心線
建築工事標準仕様書・同解説 JASS〈5〉鉄筋コンクリート工事
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鉄骨造(S造)の場合
1・金属板、石綿スレート板、石膏ボードなど薄い材料を張った場合は、
胴縁等の中心線
2・「1」以外のPC板、ALC板等を使用した場合、
その材料の中心線
但し、PC板やALC板を胴縁などに取り付ける場合は、薄い材料とみなします。
さいごに
今回は、鉄骨造設計の注意点として
壁構成による面積計算の壁芯の違いについて紹介させて頂きました。
本ブログでは、設備設計やってみようシリーズを立ち上げました。
随時記事を増やしていきますので、お時間があれば合わせてご覧下さい。
★☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
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