【解体設計時のポイント】PCBの処理に要注意!
今後間違い無く増える解体設計
建設ラッシュ時の建物の老朽化
1960年代の高度経済成長に伴い、高層ビルや分譲マンション、学校、庁舎などの建設が相次ぎました。
これが「建設ラッシュ」です。
私の住むつくば市にも丁度その頃に建てられた「公務員宿舎」が
今でも多く残っています。今では、入居されていない宿舎も多く、解体されるのを待っているようにも見えます。
高度成長期の建設ラッシュに建てられた建物が一度に老朽化を迎えるのです。
老朽化する建物の割合
老朽化は「建物」に関わらずトンネルや橋などの土木工事の分野にも及びます。
建築工事と土木工事は同時期に計画されていたので、土木工事の割合を抑えれば
建築工事の割合を予想することがでいます。
平成24年に国土交通省が発表した「建設後50年以上経過する社会資本の割合」
によると、
特に多くなる年代は平成24年〜平成44年だそうです。
道路橋の例平成24年3月:約16%
平成34年3月:約40%
平成44年3月:約65%
この数字は、道路橋の割合ですが
建築物についても同様です。
老朽化に伴い「解体設計」又は「改修設計」の案件が増えると考える根拠はここにあります。
「新築案件が減少する」と設計業界の暗い将来を予想する方が大半ですが、
私は、「これまでと違う設計案件」や「建築士の職能の多様化」により
「建築士の将来は明るい!!」と考えています。
その「これまでと違う設計案件」の一つが、「解体設計」です。
解体設計でのお約束
解体設計を計画する上で、真っ先に確認することが2つあります。
それは、
1・アスベスト
2・PCB
です。
解体される建物は、建設された年代が古いので
まず建物にあるものとして考えた方が良いです。
それぞれを分析して無ければラッキーみたいなスタンスの方が
やりやすいでしょう。
PCBは、処分できる期限が迫っているので特に要注意です。
PCBの処分期限が迫っています!
エリアごとに処分できる期限が定められているます。
私の住む東京圏ですと、
高濃度PCBは「平成34年3月31日」までしか処分できないのです。
続いて、それぞれの項目のポイントを確認しましょう。
解体設計で真っ先に確認するもの
【1・アスベスト】
アスベストは既に一般にも広く知られている材料です。
多くの建築材料に含有されていることが多いです。
多くの資料がWebに公開されているので、参考になりそうなURLを掲載しておきます。
アスベストについて
製造年代別から判断するための資料
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha08/01/010425_3/01.pdf
国土交通省から出されている資料です。
アスベスト含有部位の写真や、アスベスト処理までの一連の流れがまとめらているので、使いやすい資料です。
自分で判断できない場合は、材料の製造メーカーに確認するのが良いでしょう。
見落とされやすい材料について
【2・PCB】
続いてPCBについてです。
前項と同様に、Webに資料が公開されていますので
オススメのURLを掲載します。
PCBについてはこちら
PCB処分期限に関するパンフレット
http://pcb-soukishori.env.go.jp/download/pdf/full9.pdf
PCBの含有の有無を判断する方法
さいごに
今回は、解体設計のポイントとして「PCBの処理」について紹介させて頂きました。
今後空き家が増え、その運用や処理についてが社会問題として取り上げられています。
建物や土地を有効に活用するためにも「解体設計」は重要です。
私たちの仕事が社会の為になることを、改めて感じる今日この頃です。
世の中が、一般的になんとなく後ろ向きな未来を予想している昨今ですが、
今こそ大チャンスです。
私たちの予想以上に未来は明るいです!
本ブログでは、設備設計やってみようシリーズを立ち上げました。
随時記事を増やしていきますので、お時間があれば合わせてご覧下さい。
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
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この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
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