新しい用途地域『田園住居地域』とは??
田園住居地域が創設されました。
「都市緑地法等の一部を改正する法律」の一部として、新たな用途地域「田園住居地域」が創設されました。
以前の建築基準法にも、そのニュアンスは盛り込まれていたようですが本格的に位置付けられました。
改正前
・住居、商業、工業その他の用途を適切に配分し、建築物の用途、形態等を制限
・農地が比較的多い住居専用地域では、農業用施設の建築には個別許可が必要
・生産緑地以外の農地は宅地化が進行
改正後
・田園住居地域を創設
・農地と調和した低層住宅に係る良好な住居環境の保護を目的
・建築制限(低層住居専用地域をベースに農業用施設の立地を限定的に許容)
・農地の開発制限(許可制、一定の小規模の開発は可能)
建築基準法の運用は、時代の背景によって取り扱いが変わります。
それは、法律が実情と比べてあまりに相違があると判断される時におこります。
住宅と農地が混在し、両者が調和して良好な居住環境と営農環境を形成している地域を、あるべき市街地域像として都市計画に位置付け、開発・建築規制を通じてその実現を図ることが目的です。
ライフスタイルの変化が見られる昨今ですので、新たな需要を掘り起こすきっかけになるかもしれません。
今注目されている里山スタイル
最近「里山住宅博」が大盛況となっている等「里山スタイル」が注目されています。
私の暮らす茨城県つくば市でも2019年に開催されます。
都心に住むだけでなく、地方で暮らすメリットが認知されていることから
今後も「地方で暮らす」という動きは拡大すると考えています。
今回は、今大注目の『田園住居地域』について紹介させて頂きます。
『田園住居地域』とは??
□概要
規制の大枠は、
開発規制
建築規制
の大きく2つです。
それぞれを見ていきたいと思います。
開発規制
【1】現況農地における
①土地の造成
②建築物の建築
③物件の堆積
を許可制とする。
【2】駐車場、資材置き場のための造成や土石等の堆積も規制対象
【3】市街地環境を大きく改変する恐れがある一定規模(300m2を想定)以上の開発等は原則不許可
建築規制
【用途規制】
【1】低層住居専用地域に建築可能なものは建築可能
1)住宅、老人ホーム、診療所 等
2)日用品販売店舗、食堂・喫茶店、サービス業店舗等(150m2以内)
【2】農業用施設は建築可能
1)農業の利便増進に必要な店舗・飲食店等(500m2以内)
→農業物販直売所、農地レストラン、自家販売用の加工所等
2)産物の生産、集荷、処理又は貯蔵に供するもの
3)農産物の生産資材の貯蔵に供するもの
→農機具収納施設等
【形態規制】
低層住宅専用地域と同様に運用
容積率 :50〜200%
建ぺい率:30〜60%
高さ限度:10m 又は 12m
※低層住居専用地域と同様の形態規制により、日影等の影響を受けずに営農継続可能
さいごに
今回は、新たに創設された今大注目の『田園住居地域』について紹介させて頂きました。
地方都市への注目が高まる昨今、今後需要が高まる用途ですので要チェックです。
次回もよろしくお願い致します。
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆彡
最後まで閲覧頂きまして、
ありがとうございました。m(_ _)m
この記事を書いた人
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このブログについて 建築士の挑戦 - 『建築士 ✕(かける)』
★「職人」から「建築士」へ
施工現場と設計現場へ そして事務所を開設した異色の経歴を持つ建築士。
2018年10月に設計事務所「 Samurai-architect(サムライ-アーキテクト)」を開設。
退職〜開業までの記録を綴った 「開業の記録シリーズ」を公開中。
実務以外のこと(主に遊び)は、 「建築士× (カケル)」にて。
ブログ記事の更新はsamurai architectの「 Facebookページ」にてお知らせしています。
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