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断熱性能を上げるポイント! コストパフォーマンスの面から「窓」の次は「換気」!! 上手な「換気設備」の選定方法!

断熱性能を上げるポイント! 

コストパフォーマンスの面から「窓」の次は「換気」!!

住宅の断熱性能を上げる為に最もコストパフォーマンスが良いのは「窓」です。

多くのハウスメーカーでも、高性能の窓を標準装備するようになっています。 

 

実は、「窓」と同じくらいコストパフォーマンスが良いものがあります。

 

それは「換気」です。

 

仕様変更による費用対効果

基準とするQ値2.3を住宅を基準とし、

「Q値の改善幅」と改修に必要な「概算費用」を比較します。

 

下記の項目を検証します。

1・「アルミ樹脂複合サッシLow-E」へ変更

2・樹脂サッシ普通ガラスへ変更

3・樹脂サッシLow-E

4・熱交換換気型(回収効率85%)へ変更

5・外壁断熱材スタイロフォーム(λ値0.028)へ変更

6・外壁断熱材ウレタンフォーム(λ値0.024)へ変更

 

検証結果一覧表

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この表を見れば一目瞭然ですが、

「サッシ(窓)」と「熱交換換気型」への変更が

費用対効果が高いと言えます。

 

今回は、「換気設備」について考えていきます。

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換気の役割??

 換気の目的は、

「室内空気の浄化」「酸素の供給」「水蒸気・臭気・危険ガス・有毒ガスの除去」です。

 換気は、水槽をイメージして頂くとわかり易いと思います。

水を室内の空気と考えてください。

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上の図のように水槽内の水を少しずつ入れ替えることが、「換気」です。

 

下の図は、最近よく見られるろ過機を設置したものです。

これは、「空気清浄機」を設置したイメージです。

 

どちらが水槽内を綺麗な状態を保てるでしょうか?

 

確かに空気清浄機の効果はありますが、

使用するについれて清浄効果が薄れてきます。

 

間違いなく、上の図のように水を入れ替えた方が綺麗な状態を保てます。

 

これは多くの方が誤解していることです。

 

では、換気をして綺麗な空気を保ちながら

花粉やPM2.5などの物質を取り除きたい時はどうしたら良いか?

 

私は、熱交換換気型の換気扇をオススメします

 

熱交換換気型換気扇(第一種換気)とは??

 

三菱 換気扇 【LGH-N50RHW】 耐湿形全熱交換タイプ 【LGHN50RHW】

 

熱交換換気型換気扇とは、その名の通り熱を交換する機能を持った換気扇です。

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通常の換気扇では、外気の熱い空気や冷たい空気が直接部屋に供給されます。

そのため、その外気を処理するために余計な空調運転が必要になります。

つまり、空調機のエネルギーを要します。

 

その外気を給気する過程で、

排気される室内の空調された空気と熱交換することで、

給気温度を室内温度に近づける装置です。

 

また、機械に内蔵するフィルターによって花粉や外部の粉塵を濾しとることもできます。

 

空調負荷計算において、外気の負荷(換気による負荷)が大部分を占めます。

「全熱交換器」を設置することは建物のエネルギーコストを抑えるために非常に有効です。

 

 

換気効率を上げる為に重要な「気密」

「気密」は換気効率を上げる為にも非常に重要です。

気密が悪い住宅で起こるのは「ショートサーキット」という現象です。

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C値が大きいほど、ショートサーキットを起こします。

計画通りのルートを通らないため、汚れた空気が残ってしまう部分ができます。

 

Point 【C値とは?】

C値とは「隙間相当面積」のことで、隙間の広さを表す指標です。

C値が大きいほど、隙間が大きいということを表します。

 

室内の綺麗な環境を確保する為にも、「気密性」が重要なことがわかります。 

 

気密性能が良い住宅は窒息するという都市伝説

 気密性能が良いと窒息するという噂を聞きました。

この噂について検証してみます。

人間の呼吸量

人間の呼吸量は、

男性:0.8 m3/h 女性:0.6 m3/h

しかありません。

 

この数値は、C値0.1の住宅で給排気口を全閉してもギリギリ対応できる量であると

研究結果があります。

 

気密性能が上がると窒息するという噂は、

気密性能向上による、外部の騒音が激減したことによる勘違いであると推測されます。

 

法令の規定換気量があれば十分対応できます。

 

気密性をあげても、人に影響がないことがわかりました。

 

 

レンジフードはこれ一択

住宅において最も風量のある換気設備は「レンジフード」です。

 

様々なメーカーから発売されていますが、

概ね500〜600 m3/hと、大風量となります。

 

 

レンジフード運転時の空気の流れを示した図です。

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レンジフード運転と共に居室に設けられた給気口から、外気が入り込みます。 

 

空調された空気が、強制的に入れ替えられてしまうのです。

 

そこでオススメしたいのが、「室内循環型レンジフード」です。

注意点:IHコンロの場合しか使用できません。 

 

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出典:富士工業株式会社ホームページより引用

調理時に発生する油や煙、匂いを内部のフィルターでろ過することができます。

ろ過された空気を室内に戻すことで換気をするシステムです。

 

室内循環型レンジフードの問題点として、

1・IH調理器でしか使用できない

2・フィルターの定期的な交換・メンテナンスが必要

3・熱の排出ができない

があげられます。

 

ガス調理器を使用する場合には、

「同時吸排気型レンジフード」を採用するか、

レンジフード直近に「専用給気口」を設置した方が良いでしょう。

 

さいごに

「換気設備」のコストパフォーマンスは「窓」に続き良いです。

上手い換気プランができれば、

空気清浄機など電化製品を購入する必要もなくなると私は考えます。

(住み方によりますが・・)

 

その削減できる費用を建設費に充てて、建物自体の性能をあげた方が

より健康的で、上手な暮らしができると考えます。

 

住宅を計画中の方は、是非検討して見て下さい。

 

★☆☆☆彡

最後まで閲覧頂きまして、

ありがとうございました。m(_ _)m 

 

この記事を書いた人

 

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